現役高校教員の皮算用です。
教員免許は複数の種類を保有している方が有利なのか考えちゃいません?
教員免許更新制では免許を取り続けると免許の期限が伸びる
2009年4月1日から教員免許更新制となりました。
教員免許の有効期限は10年間となっているので、10年毎に免許の更新が必要です。
免許の更新には、おおよそ30単位が必要で、かかる費用についても各先生の負担です。詳しくは文部科学省サイトへ。
単位修得のための期間は【職務免除】となるので、減給対象ではありません。言うなれば、出張旅費・手当の出ない自己研修といったところです。
免許更新の期間は17時に終わるので、普段よりも早く帰宅できるかもしれません。17時に終わった後、学校に戻ってきて仕事している先生もいたりします。
免許の有効期限が10年間ですが、新しく他教科の教員免許を取得した場合、直近の教員免許の有効期限から10年間有効となります。
例:
- 2000年:高校数学1種取得
- 2010年:教員免許更新した
- 2015年:中学数学1種取得
- 2018年:中学理科1種取得
この場合は、保有する全ての教員免許の有効期限が2028年となります。
過去に「免許取得が趣味!」という先生に出会いました。
英国社理を持っていました。今現在も増やしつつあることでしょう。
採用時では中学高校両方の教員免許があると有利
公立でも私立でも、中高一貫校が増えてきました。そのため、採用時で中高両方の教員免許持ちが求められています。
正直なところ、2018年度時点での教員採用試験で、高校を受けるのに【高校の免許だけしかもっていない】のは不利です。
よほどぶっちぎりの高評価ならば採用となりますが、そう変わらない評価ならば中高両方の免許をもった人物を採用します。
複数教科での免許持ちは採用で、より有利
ちなみに、一回取った免許は、自分の意思で削除できないそうです(笑)
免許更新すると、自動的に英語と家庭科、両方更新されるらしい。— 綿谷ノボル (@I1H45EpMyjNod97) February 7, 2021
人件費削減の方向から、他教科の教員免許を持っていると特に私立学校での採用に繋がりやすいです。
1人雇うだけで2教科教えられるとかお得そのものですから!
ただ、担当授業数が多くなる懸念もありますし、持ち授業数が多くても給料への還元が無いといった理不尽極まりないことにもなりかねないので、私立学校勤務は勧めません。
私立学校勤務は勧めませんが、じゃあ国公立の学校勤務なら安心かというと、そうでもありません。
専門外の科目の授業を担当させられて自殺した先生
中学教諭自殺、県と市に賠償命令 鹿児島地裁
2006年に自殺した鹿児島県曽於市立中学教諭の久留恵さん(当時32)の両親が、県と市に計約9600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、鹿児島地裁(吉村真幸裁判長)は13日までに、県と市に計約4300万円の支払いを命じた。
判決理由で吉村裁判長は「免許外の科目を担当させるなどした校長や教頭らの行為と、精神疾患の悪化や自殺との間には因果関係がある」と指摘した。
判決は(1)校長らは音楽教諭の久留さんに国語を担当させた(2)久留さんの精神疾患を認識できたにもかかわらず、健康状態に配慮しなかった――などとして、安全配慮義務違反を認定。「予見可能性はなかった」とした学校側の主張を退けた。
判決後、両親は弁護士を通じて「校長らの責任を認めてもらい、満足している」とのコメントを出した。鹿児島県教育委員会の担当者は「判決文が届き次第、今後の対応を検討したい」とした。〔共同〕
2006年の事件です。
専門科目は音楽でした。確か過疎地域の中学校に赴任し、教科に対する教員数が足りず、臨時免許を発行しての授業だったそうです。
- 音楽
- 国語
- 家庭科
合計3教科の授業を担当し、「指導力不足」と認定されました。
指導力が足りないと判定された場合、別途研修を受けたりします。
そうこうしている間に該当の先生は自殺しました。
日本の教育現場とはこういうものです。
私個人的には、前途あふれる若者にはこんな教育現場に来て欲しくないです。
今現在の生徒は確かに気がかりです。
それでも、自分の人生や命は自分が第1に考えてやらないと、誰も他人の人生を守ろうと行動してくれません。
教員採用試験に受かってしまったなら、自分が納得できる期間働けば良いと思います(40歳を過ぎた先生方はみんな辞めたがっていますが)。
教員採用試験に受かっていないならば教育現場から逃げるチャンスです。
可愛いらしい生徒達は教員採用試験に受かった正規の先生たちが面倒みてくれます。
本当に全てをなげうって学校に尽くすんですか?
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