現役高校教員の皮算用です。
たまに「新しく部活を作りたい!」なんて生徒に出会いますが、まず無理です。
テレビドラマだとさっくり結成していますが、あれはフィクションです。
新しい部活を作るための流れ
新しい部活を作るには学校の決まりがあります。
生徒手帳に記載されているかもしれませんし、載っていなければ生徒会の先生(生徒指導の先生かも)に聞きに行きます。
たいていは、いきなり部は作れず、同好会→部という流れになっています。
同好会を作る
- メンバーを集める
- 顧問になってもらう
- 活動場所
- 活動実績
- 部への昇格
まずはメンバーを集めます。何人集まれば同好会が結成できるかは各学校の規定(ルール)によります。
5人以上がほとんどだと思います。
顧問になってもらう
この同好会結成で必要なのが同好会顧問です。部活顧問と同じです。
部ではなく、同好会なので同好会顧問となります。
- 非常勤講師では顧問になれません。
- 常勤講師ならば可能ですが、来年もいるかどうか分かりませんし、学校内での力が弱いので難しいと思います。
- 教諭(正規雇用)の先生に依頼します。
ちなみに、17時以降の先生の勤務は先生の善意なので、よほど活動内容が先生の趣味と一致していないと請け負ってくれません。
アルバイトが9時~17時なのに「時給払えないけど毎日19時まで働いて」って嫌でしょ?
活動場所をさがす
運動系の新規参入は難しいです。
すでにグラウンドはいっぱいでしょうし、体育館だって空きが無いはずです。グラウンドや体育館以外の場所を選定しないといけません。
学校外の体育館などで活動ができますが、予算はつかないので全部生徒たちで負担する必要があります。
「公園で練習する!」というの苦情がくるのでダメです。公園はみんなのものなので、もっと幼い子どもたちに使わせてあげましょう。
予算
クラブ活動の予算は年度始めに組みます。そのため、年度途中で結成した同好会については1年目は予算がつきません。
同好会として認められれば、2年目から予算がつきます。
無事同好会が結成されれば、翌年度からは予算が年間1万円くらいつきます。
予算を超える出費については生徒の負担です。
活動実績を重ねる
「毎週何回以上の活動」といったルールがあります。
同じ学校の部活動の最低活動日数を上回っていれば大丈夫だと思います。
図書部とか「週3回、1回2時間」よね?
大会出場など、戦績的なものが華々しいと部への昇格が早まることもあります。
部への昇格
同好会を数年継続すると部への昇格となります。
たいてい3年以上で部に昇格かなぁ。
1年目だけメンバーが集まり、2年目3年目で増員しないというのは同好会のままです。そして卒業して0人となれば、その同好会もなくなります。
部活を作ることのメリット
1から部活を作ることは難しいですが、作るメリットは2つあります。
- 予算がつく
- 学校の施設が使える
予算がつく
ただ、まぁ、収入(生徒費)は決まっているので、他の部の予算が少しずつ減って新しい同好会・部の予算となるわけです。
自分の部の予算を減らされるので他の部の顧問はいい顔をしませんし、そんな先生からいじめられてもたまらないので、新しく請け負う先生もなかなかいません。
学校の施設が使える
家庭科部とかなら、家庭科室(調理室)が使えます。
部室がもらえたりもします。
運動部だと、体育館やグラウンドなどが他の部と交代で使えるようになります。もちろん、他の部の活動時間が減るので、他の部の顧問はいい顔をしません。
新しい部・同好会顧問は針のムシロや(T_T)
部活を作らず勝手に活動する
- 予算がいらない
- 活動場所もいらない
こんな場合はわざわざ部活を作ろうとしなくて大丈夫です。
過去に延々とトランプやボードゲームを行っている生徒が数人いました。
自分たちで用具を買って、放課後の教室で遊んでいました。
下校の放送で片付け、下校していました。
こんな活動でよければ、わざわざ同好会や部を作る必要はありません。
「駅前で演奏する」とかも制服着てなかったら誰か分からないしね!
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