現役高校数学教員の皮算用です。
2022年から高校の家庭科で金融教育がちょこっと始まります。
本当にちょこっとになると思うので「子どもに金融教育を!」と考えているなら各家庭での教育が必要です。
家庭基礎と家庭総合がある
2022年4月から高校の家庭科の授業は2種類になります。
- 家庭基礎(2単位)←週2時間授業
- 家庭総合(4単位)←週4時間授業
家庭基礎は原則高校1年生で行われます。
大学進学を目指している普通の高校は2単位の【家庭基礎】を学びます。よほどの底辺高校ならば4単位の家庭総合となります。

家庭科に週4時間取られたら英語も数学も授業数少なくなりますから!
家庭基礎(2単位)で学ぶ内容
学習指導要領には4項目あります。
- A:人の一生と家庭・家族及び福祉
- B:衣食住の生活の自立と設計
- C:持続可能な消費生活・環境
- D:ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動

投資信託を授業で学ぶ!
金融教育に該当するのはC部分になります。
家庭総合(4単位)で学ぶ内容
学習指導要領には4項目あります。
- A:人の一生と家庭・家族及び福祉
- B:衣食住の生活の科学と文化
- C:持続可能な消費生活・環境
- D:ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動

投資信託を授業で学ぶ!
金融教育に該当するのはC部分になります。
普通の高校では2単位の【家庭基礎】を学ぶので以下では家庭基礎について書いていきます。
家庭基礎(2単位)の学習指導要領で『投資信託』が登場するのはどこか
【家庭基礎】の学習指導要領『C:持続可能な消費生活・環境』は下記3項目に分けられます。
- (1)生活における経済の計画
- (2)消費行動と意思決定
- (3)持続可能なライフスタイルと環境
『投資信託』が登場するのは(1)のアです。
- ア:家計の構造や生活における経済と社会との関わり,家計管理について理解すること。
- イ:生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について,ライフステージや社会保障制度などと関連付けて考察すること。

(2)、(3)もそれぞれアとイがあります。もちろんA~Dまでも同様です。
ア 家計の構造や生活における経済と社会との関わり,家計管理について理解すること。
家計の構造や生活における経済と社会との関わりについては,可処分所得や非消費支出
の分析など具体的な事例を通して,家計の構造を理解するとともに,家庭経済と国民経済との関わりなど経済循環における家計の位置付けとその役割の重要性について理解できるようにする。
家計管理については , 収支バランスの重要性とともに,リスク管理も踏まえた家計管理
の基本について理解できるようにする。その際,生涯を見通した経済計画を立てるには,教育資金,住宅取得,老後の備えの他にも,事故や病気,失業などリスクへの対応が必要であることを取り上げ,預貯金,民間保険,株式,債券,投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット,デメリット),資産形成の視点にも触れるようにする。文部科学省:高等学校学習指導要領【家庭編】より抜粋
- A-(1)ア
- イ
- (2)ア
- イ
- (3)ア
- イ
- (4)ア
- イ
- (5)ア
- イ
- B-(1)ア-ア
- イ
- イ
- (2)ア-ア
- イ
- イ
- (3)ア
- イ
- C-(1)ア←ここで投資信託登場
- イ
- (2)ア
- イ
- (3)ア
- イ
- D-ア
- イ
繰り返しますが【家庭基礎】は2単位です。家庭科の先生はC-(1)のアにどれだけの時間をかけてくれるでしょうか?

投資信託を授業で学ぶ!
ワクワク♪
家庭科や音楽芸術体育といった受験に直接関係の無い教科の授業数は少なくなっています。
学校での金融教育は興味をもたせるきっかけ作り程度の役割にしかならないでしょう。
金融教育を望む家庭では、各家庭で補足説明や掘り下げを行ってほしいものです。
ちなみに複利の登場は高校2年生の数学B:等比数列でになります。たいていは2学期中頃にその辺りを学習します。
複利計算については【研究・コラム】として教科書に記載されていますが入試に複利は出題されないので普通は授業で教えません。家庭基礎も高校1年生で習うのできっと1年後まで長期運用や複利といった単語は覚えていないと思います。
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