現役高校教員の皮算用です。
新型肺炎コロナの影響で2020年2月末から小中高校と全国的に休校が続いています。
世界的にはコロナの収束は2022年になるなんて見通しもあるそうです。
新型コロナウイルスの世界的流行を抑えるためには、外出規制などの措置を、2022年まで断続的に続ける必要がある――。こんな予測を米ハーバード大の研究チームが発表した。
学校現場も自治体によっては4月21日の段階では「6月や7月には再開できない」なんて意見もあるようです。
さて、2月末から休校が相次いでいますが児童生徒に課された家庭学習は基本的に復習のみになります。
- 教科書
- 問題集
- プリント
いわゆる昔ながらの宿題が与えられています。
- 動画授業
- テレビ番組での授業
- オンライン個別授業←リアルタイム
テレワークを利用し在宅勤務できている会社もありますが、上記のような授業が休校中でも行えている自治体は全国の5%程度だそうです。
コロナ休校での入試範囲
2月末の休校のように学び終わっていなくとも進級はできました。ただ、入試(特に大学入試)はどうなると思いますか?
「私立中高一貫校では授業を前詰めし、高校3年生では一年間まるまる受験勉強ばかり」なんて言われています。
当たり前ですが、やってる学校はどんどん授業を進めています。
子供がかわいそう。教育熱心な親はとっくに3月からオンラインで勉強機会を与えてるのに、不平等を助長してるだけですよね。子供に教育の機会を与えない大人は●ソ
— rikarin (@rikakabu) April 22, 2020
つまり、バカ正直に学校の授業進度に合わせていると損します。
昔、偏差値48の高校で数学Ⅲを教えました。
生徒の学力に合わせて授業スピードを調節するので、教科書範囲が全部終わったのは高3の1月末でした。もちろん公募制推薦入試は12月から始まっていて出題範囲は全部です。
コロナ休校で学力差が広がる
年度始めから休校が相次ぎました。学校が再開したところで教室内に多人数が入るため集団感染:クラスターが起こることは簡単に想像できます。
おそらく細切れ休校が続きます。
- 休校
- 再開
- 休校
- 再開
こんな飛び飛びで授業をしても学力は定着しません。
公教育は変に非効率
今回のコロナのように急遽休校が決定するとオンライン授業なんて事前に普及していないため後手後手にまわります。
- 動画授業
- テレビ番組での授業
- オンライン個別授業←リアルタイム
これ、1.や2.ならば『全国一律同じ授業』としてしまえばコストダウンができます。
私が実際に授業しないと。
こんなことにこだわっていると、『A先生授業撮影→動画編集→公開』をひたすらくり返すこととなります。
日本全国でよく似た授業動画をB先生・C先生・・・と公開していくの非効率だと思いません?
この問題㉒の解説を求める生徒が全国に数千人いてて、その解説をしている先生が100人はいてて、これが去年も今年も来年もくり返すのか。
数学の解説を行っていた時にこの非効率さにげんなりしました。
上手い先生の授業が一番!
授業するのが好きな先生は多いですが、『とんでもなく授業が面白い先生』というのは普通の学校にはいません。
1時間数万円の時給で授業をする先生の方が面白いはずです!
国も自治体も教育に新たにコストはかけません。
既に給料を払っている先生たちがいるからです。
学校の先生たちが現在の給料のまま今の業務プラス、オンライン対応できるまで待ちますか?
授業はオンラインで全国一律同じ授業を視聴する。学校の先生はそのサポートを行う。
こんなことは国が決定しません。
教員に授業スキルを求めなくなるとそこそこレベルでの人物で教員がこと足ります。
給料減に繋がりかねないこんな制度は先生方も教育委員会も求めていないので、日本の教育現場は従来通りのまま変わらないと思います。
「安かろう悪かろう」は教育に対しても言えます。教育費をかけられる家庭はかけた方が絶対良いです。
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