結婚後8年間奨学金返済を行った皮算用家です。
返した奨学金は夫の分で、妻:皮算用の奨学金は皮算用実家が返してくれました。「学費は自分で出せ」なら大学進学してなかったかもしれません。
皮算用家は1人分の奨学金返済で済みましたが、大学進学率は男女ともに年々伸びています。
2人分の奨学金返済はなかなかキツイと思いますので、共働き必須です。
奨学金返済完了までは基本20年間かかる
何年かけて返していってもかまいませんが、2種奨学金(利子あり)だと、年数がかかるほど利子分多く返済することになります。
利子については変動制ですが、近年は0.4%程度で推移しています。
日本学生支援機構JASSOホームページでの返済シミュレーションは20年が推奨されています。
学費を全て奨学金でまかなうと510万円借り入れる
私立大学の学費はざっくりとこれだけかかります。理系だと授業料は150万円~で、医療系だとさらに高額です。
- 入学金30万円
- 年間授業料120万円(文系)
これを全て奨学金でまかなうと、こんな借り入れとなります。
- 入学時一時金30万円
- 毎月10万円の奨学金(2種)×4年間
- 0.5%の利子
- 合計510万円借り入れ
20年間で返済するとこんな感じになります。
- 22,413円×240回払い
- 合計538万円返済
MAX借りると626万円借り入れる
私:皮算用は高校の先生です。過去に最も高額の奨学金を借りた生徒がいました。
- 入学時一時金50万円
- 毎月12万円の奨学金(2種)×4年間
- 0.5%の利子
- 合計626万円借り入れ
ちなみに、これだけ借りて20年間で返すとこんな感じになります。
- 27,523円×240回払い
- 合計660万円返済
月々の返済額を下げることもできますが、総返済額が増えます。
大学生のアルバイトで月10万円稼ぐことはよくある
地方国立大学卒業です。
大学の同期の数人はアルバイトで月10万円稼いでいました。私自身も月5~8万円程アルバイトで稼いでいました。
つまり、アルバイト収入も加味すると、奨学金の借り入れは月5万円程度でも大丈夫なはずなんです。
奨学金は親名義ではなく、子ども名義で借り入れます。
「奨学金を親が使い込み返済するのは子ども」という事例も多いです。
新卒での奨学金返済はどれぐらいキツイか?
奨学金は卒業後半年してから返済が始まります。
働き始めて最初の方はスーツを買ったり等で割と出費が多いです。
ざっくりと学歴別の初任給はこんな感じです。2000年頃から初任給はたいして変わっていません。
ここから税金等が引かれます。約20%引かれるので、大卒の手取り額は約16.5万円です。
新卒時は夏のボーナスはほぼ支給されません。そのため額面年収は、20万円×15ヶ月=300万円程度です。
実家暮らし
正直、実家暮らしならば奨学金の返済は余裕です。将来のことも考えてゴリゴリ返済しつつ貯蓄に励むべきです。
そしてできるならば、資産運用も始めておくと30代以降の人生がより余裕のあるものになります。
寮暮らし
寮費(家賃+食費+水道光熱費)がいくらかによりますが、実家に次いで余裕があります。
- 奨学金返済
- 寮費
- スマホ代
- 保険代
- 貯蓄
- あれば車諸経費
1人暮らし
手取り16.5万円でアパート暮らしはキツイです。多分毎月の貯蓄は0かマイナスです。
家賃は手取りの1/3以下が最も適していると言われています。
節約のためには【固定費を下げる】ことが最も効率が良いので、家賃やスマホ・民間保険料を見直すことをすすめます。
- 奨学金返済
- 家賃(共益費含む)5.5万円以下
- 水道光熱費1.2万円
- 食費3万円(1日1,000円)
- 日用品0.5万円
- スマホ代
- 保険代
- 貯蓄
- あれば車諸経費
給料の上がり方は千差万別
給料の上昇は各企業により異なっています。
春闘(しゅんとう)で騒がれているような企業に入社できれば、順調に給料が上昇していきます。
毎年月給が1万円上がっていくのは一部の大企業だけです。定期昇給が3,000円なんて企業もたくさんあります。
結婚した後の奨学金返済
厚生労働省の統計によると、平均初婚年齢は年々高くなっています。1番新しい統計によると、男女それぞれこんな年齢だそうです。
- 男性31歳
- 女性29歳
共に大卒であった場合、定期昇給が1万円でないことが多いですが、せいぜいこれ位の金額となります。
- 31歳(月給28万円・額面年収448万円)
- 29歳(月給26万円・額面年収416万円)
共働きで奨学金を返済する
平均初婚年齢で結婚し、定期昇給が1万円の優良企業ならば、世帯年収は額面で864万円あります。
月の手取りは54万円×80%=43.2万円です。
- 奨学金返済2~5万円
- 家賃(共益費含む)
- 水道光熱費2万円
- 食費6万円(1日1,000円)
- 日用品1万円
- スマホ代
- 保険代
- 貯蓄
- あれば車諸経費
家賃は手取りの1/3以下が最も適していると言われています。
手取り43.2万円ならば家賃14.4万円まで許容範囲ですが、今後子育て等により妻の収入減を予定しているならば、やはり【固定費を下げる】のが正解です。
1度上げた生活水準を下げることは難しいからです。
1馬力で奨学金を返済する
たいていは妻が仕事を辞めます。
すると世帯年収は額面で448万円で、月の手取りは28万円×80%=22.4万円です。
家賃は手取りの1/3以下が最も適していると言われています。
手取り22.4万円ならば家賃7.47万円まで理論上は許容範囲ですが、2人分の奨学金を返しつつ生活するのは無理です。
- 奨学金返済5万円(2人分)
- 水道光熱費2万円
- 食費6万円(1日1,000円)
- 日用品1万円
これだけで14万円かかります。残りで使える金額は8.4万円です。
- 家賃(共益費含む)
- スマホ代
- 保険代
- 貯蓄
- あれば車諸経費
手取り35.7万円だった皮算用家
皮算用家は正社員共働き夫婦でした。結婚した年齢は平均初婚年齢よりも若かったので、世帯収入も低かったです。
皮算用家の結婚当初の月の手取りは35.7万円でした。
- 夫奨学金返済2万円
- 家賃(共益費含む)8.8万円
- 水道光熱費1.5万円
- 食費6万円(1日1,000円)
- 日用品1万円
- スマホ代1.5万円
- 夫こづかい1万円
- 妻こづかい2.5万円
- 貯蓄4万円
- 保険代0.5万円
- 車諸経費6.9万円
ざっくりとこんな感じでした。夫婦で8年かけて奨学金を返済しました。
夫が独身中に返した分は少額でした。8年間で2万円×12ヶ月×8年=192万円プラス一括で200万円返済しました。
もちろん家計の貯蓄から皮算用にも200万円もらいました。
個人資産1,400万円あります。
ローンを返すのはなかなか大変
奨学金を借りている大学生は50%いるそうです。
- 奨学金(20年かけて返済)
- 車のローン
- 住宅ローン(35年ローンが一般的)
普通の人は人生でこれだけ借金します。
- 23歳(奨学金返済開始)
- 33歳 ↓
- 43歳(奨学金返済完了)
- 53歳
- 63歳
- 73歳
- 83歳
人生の半分以上借金返済に追われます。
奨学金を借りなくても良いシステムを望みますが、給付型奨学金をばらまくには財源がありません。
大学に勉強しに行きたい高校生は少ないので、大卒でなくとも真っ当な賃金がもらえる社会であって欲しいです。
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