2020年度から常勤講師や時給で働く講師は【会計年度任用職員】となりました。
ふーん今年○時間契約か。
- 働き方は今までと変わらず名称だけ変わったのかな。
- 有給がちょっと増えたかな。
- 時給が上がって交通費下がったかな。
なんてポゲーっと思っていたらえらい目にあいました(><)
会計年度任用職員となった時給で働く講師の辞令には『年間○時間』と明記されているかと思います。
私の勤務自治体だと『国が定める法定授業時間×契約単位数』になります。
高校だと1単位35週なので1単位につき年間35時間の契約となります。
高校の法定授業時間の年間イメージ
高校だと1単位35週です。
ざっくりと各月の授業週を数えてみました。
- 4月:3週
- 5月:2週+テスト1週
- 6月:4週
- 7月:2週+テスト1週
- 8月:0週
- 9月:4.5週
- 10月:3週+テスト1週
- 11月:4週
- 12月:3週+テスト1週
- 1月:3週
- 2月:3週+テスト1週
- 3月:2週
テストを含めず33.5週あります。
キッカリ1週間ピッタリで数えられないので3.2週なんてこともあります。おそらく授業だけでほぼほぼ35週になります。
これ、辞令記載の契約時間が法定授業時間数ピッタリならテストや成績処理関係はサービス残業となります。
どれぐらいサービス残業するか
普通は4~19単位での契約となります。1~4クラス程度受け持つことになります。
受け持ちクラス数やテスト作成有り無しでサービス残業の過多が異なります。
- 1クラス40人×△クラス担当
- テスト作成する/作成しない
- テストは年間3回/5回
- 成績処理は担当する/担当しない
普通はテスト作成は教員間ローテーションです。年1回以上は作ることが普通でテスト作成には3~5時間以上かかります。
また、成績処理は1クラス3時間以上かかります。『クラス数×3時間以上×テスト回数』かかります。
テスト毎に1~2時間のサービス残業は仕方ないかな(;-ω-)ウーン
【会計年度任用職員】となる以前はテスト週にも勤務できたので『テスト毎に1~2時間』のサービス残業程度で済んでいました。
35週の法定授業時間のみの雇用契約でテスト週を勤務に含めないならばテスト毎にクラス数×3時間近くもサービス残業できません!!
無給で押し付けられている定期テストの採点を都合があったので断ったら、校長室に呼びつけれてこの場で契約を切るか反省文を書くかのどちらかだと言われた#フォロワーが体験した事が無さそうな体験
— 教師しんどい (@DDsk6tA5xfYUcMh) April 16, 2021
ちなみに2020年度はコロナ休校があったので出勤しなかったため契約時間が余っていました。サービス残業はこれまで通りの年間5~10時間でした。
来年度以降で35週の法定授業時間のみの雇用契約ならば私は『授業のみ行う』か『講師をしない』にします。
お金もっててよかったε-(´∀`;)ホッ
サービス残業を回避するために
講師⇔教育委員会で雇用契約を結びますが実際に働くのは学校現場です。
講師の雇用条件を学校が把握していないことがままあります。
授業、問題作成、成績処理を担当する講師を募集します。
時給契約です。
35週+αでの契約です。
授業を担当する講師を募集します。
時給契約です。
35週での契約です。
東京都では残業を見越して法定授業時間数よりも多い数字で契約してくれるようです。
辞令記載の契約時間が法定授業時間数ピッタリならば教育委員会はテスト日はカウントしていません。テスト日勤務は想定外です。予算も組まれていません。
- 学校が勝手に無給で働かせている
- 講師が勝手に自己満足で働いている
このどちらか扱いです。
教材研究や授業準備などで勝手に自己満足で働くのは自由です。好きにしてください。
前者の『学校が勝手に無給で働かせている』状態はかなりマズイです。
お金は払えませんが働いて欲しい!( ー`дー´)キリッ
バカか?
最初に確認する
法定授業時間数ならテスト日は勤務日カウントしていません。
- 契約は法定授業時間数だけですね
- テスト日は勤務時間外なので出勤しません
- テストも『作成しない』ですね
- 授業時間数だけの契約なので成績処理も担当しませんね
法定授業時間数ピッタリでの募集ということは求められている働き方はこれです。
今まで曖昧な雇用条件で働いていたから線引きができていませんでした。会計年度任用職員になったことで労働条件が明確化されました。
テストは作りません。
僕担当のクラスの成績処理もお願いします。
代わりに誰がするのでしょうか?
同じ教科の他教員です。
えっ・・・。
ずるい。
感想としては『ずるい』は正しくありませんが、もし正規雇用の教諭やフルタイム契約の常勤講師から時給で働く講師になりたいのならどうぞ。雇用枠は余っています。
譲歩案
「無賃での時間外労働はしません。実労働分出るなら諸々やります。」
講師依頼があったタイミングでキッチリハッキリ言うべきです。教育委員会・学校長がお茶を濁して、講師側もお茶を濁して受けるので講師側が我慢するはめになります。
- テスト作成は時間が読めませんが実費分賃金出ますか?(作成印刷で5時間はかかる)
- テスト採点は1回40人分の成績処理含めて3時間
- 提出物チェックは1回40人分で1時間
成績付けだと1回の考査で4時間はみておきたいところです(テスト5回あれば+20時間)。
法定授業時間数35+20=55。東京都の52よりも多い数になります。こんなに予算付けてくれない気がします・・・。
無理です。
非常勤は労働基準法適用
【会計年度任用職員】と名称が変わりましたが勤務形態が『非常勤』ならば労働基準法が適用されます。
労働基準法が適用されるので不当労働があった際には労基署に駆け込めば労基署が対応してくれます。
2019年に宮城県仙台市で非常勤嘱託による未払いの残業代請求が起こりました。642人が請求し、200人以上は非常勤講師の先生だったそうです。
市教委は非常勤講師ら約240人に未払いがあり、金額を確定した上で支払いを進める。
2019年10月にも愛知県名古屋市の非常勤講師の先生約1,100人が未払いの残業代請求を起こしました。
サービス残業させられた場合は勤務記録をしっかり残しておきましょう!そして労基署にGo!です。
多分こんなのも起こる
法定授業時間数だけの契約でテスト作成と成績処理も担当ですか?
- 教員採用試験合格を狙ってるので泣く泣くサービス残業をのむ
- 契約時間いっぱいまでテスト作成と成績処理は計上して年度途中で退職しよう
2.を選ぶと次年度の教員採用試験合格は不可能だと思いますが他県を受けたり、そもそも教職のブラック労働さに嫌気がさしてるでしょうから民間企業に転職していくことでしょう。
近年は教員採用試験に合格した新任の先生ですら年度途中での退職があります。
時給で働く講師の先生ならば見限るのはもっと早いでしょう。
働き方改革の波は教職にもやってきています。
同一労働同一賃金!
- 正規雇用の教諭
- 非正規雇用の常勤講師
- 非正規雇用の時給で働く講師
さて、真っ先にホワイト労働化しそうなのはどこでしょう?
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