ブラック労働に嫌気がさし、30代で高校教諭(正規雇用)から非常勤講師(非正規雇用)へとキャリアダウンした皮算用です。
30代でセミリタイアしました。
勝手に学校の先生の働き方改革案を作ってみました。
給特法によるみなし残業代4%ではなく残業代を出して欲しいところですが、『教員に適正な残業代を支給すると毎年1兆円かかる』なんて試算もあるそうです!
※全国の教員数100万人×年間の残業代100万円
教員の残業代支給は財政的に無理でしょうから自治体のサイフが傷まない案を考えてみました。
疲れ切っている先生方からも賛同してもらえる案じゃないかなと思っています。
政治家になる気はありません。
良い案だと思ったら、エライ人は実行してください。
学校の先生の労働時間を3分割する
学校の先生の就業時間は8:30~17:00です(最近は8:15~16:45?)。
部活動については「業務ではない」ことになっていますが、部活動顧問を拒否することはまず不可能なので、個人的には業務だと考えています。
部活動は長いと~21時頃まで活動しています(片付けを考えると、学校を出るのは21:30頃)。
たいていの部活は平日は4時間程度の活動になります。
学校の先生の就業時間を8:30~19:00と考えます。
これを時間別に3分割します。
- 8:30~12:30(休憩15分・3時間45分労働)
- 12:00~16:00(休憩15分・3時間45分労働)
- 15:30~(3時間以上労働・ただし週20時間未満)
それぞれの業務内容はこんなイメージです。
- 授業+公務分掌
- 授業+公務分掌
- そうじ監督+部活動(補習など特別活動)
高校の先生の平均年収は約720万円だそうです。平均年収.jpより。
新卒ならば初任給は20万円程です。ボーナス4.5ヶ月程度なので、20万円×16.5ヶ月=330万円の年収です。
平均年収が720万円ならば、60歳の先生は1,110万円もらっていることになります。
ちょっと無茶な計算です。学校長含めた平均年収が720万円なので普通の60歳の先生は1,000万円に到達しないでしょう。
学校の先生の定年退職日は60歳を過ぎた3/31なので60歳の先生も普通に働いています。
3分割したそれぞれを年収250万円で契約します。3つ全部やれば年収750万円です。これまでと年収は変わりません。なんなら、年功序列で1,110万円まで昇給させていっても良いと思います。
自治体次第ですね。
8:30~12:30の働き方
生徒の時間割は
- 8:35~朝礼
- 8:45~9:35授業1
- 9:45~10:35授業2
- 10:45~11:35授業3
- 11:35~12:30昼休憩
- 12:35~13:25授業4
- 13:35~14:25授業5
- 14:35~15:25授業6
- 15:30~15:45そうじ
- 放課後
12:00~の先生と被っている30分間で引き継ぎを行います。
毎日授業は2コマ×5日=10コマと考えています。
毎日15分休憩がとれますし、事務仕事も処理できます。
12:00~16:00の働き方
生徒の時間割は
- 8:35~朝礼
- 8:45~9:35授業1
- 9:45~10:35授業2
- 10:45~11:35授業3
- 11:35~12:30昼休憩
- 12:35~13:25授業4
- 13:35~14:25授業5
- 14:35~15:25授業6
- 15:30~15:45そうじ
- 放課後
16:00~の先生と被っている時間で引き継ぎを行います。
担当授業数は8:30~12:00の先生と同じく、週10コマです。
ここの時間帯では残業代をつけたいです。
家庭訪問の可能性があるからです。
保護者が学校に来てくれるならば、15:30~の先生に任せれば良いですが、自宅に先生を呼びつけたい保護者がいるのは事実です。
税金から補填すべきだと思います。
15:30~の働き方
生徒の時間割は
- 15:30~15:45そうじ
- 放課後(7限授業や補習・部活動)
15:30~勤務の先生はそうじ監督も行います。
15:45~16:00の間に先生同士で引き継ぎを行いますが、6限終わりならば半分近くの生徒が下校します。
そのため、引き継ぎ事項は少ないと考えています。
正直、1対40の授業はもはや時代に合っていないと考えているので7時間目授業をするよりも、希望者だけに講座を行う方が良いと考えています。
公務分掌の引き継ぎ
引き継ぎ時間は30分程度しかありません。そのため、公務分掌の各係の仕事内容のマニュアル化が必須となります。
学校業務は何となく適当に仕事が進んでいっていますが、大変非効率です。
これだけ人手不足で、鬱や育児などで休職していく先生方が多いので、マニュアル通りやれば誰でもこなせられる業務内容にしていかないとまわりません!
教員の働き方を3分割した場合の各種福利厚生
学校の先生の労働時間を3分割しました。それぞれで雇用契約を結びます。
毎年年度末に契約更新や変更を行います。年度途中での契約変更は【講師依頼】と同じく、オファーがあれば変更もできます。
- 8:30~12:30(週18時間45分労働)
- 12:00~16:00(週18時間45分労働)
- 15:30~(週20時間未満労働)
1つだけの契約なら非常勤講師と同じで、健康保険・厚生年金への加入不可です。
週の労働時間が20時間未満ならば社会保険の加入対象でないので、かかる費用が抑えられます。
いや、加入できればいいんですが、財政的に無理でしょう。
自治体がんばれ!
2つ以上の契約なら、週の労働時間が30時間を超えていますので、社会保険に加入します。健康保険・厚生年金への加入ができます。現行の教諭(正規雇用)と同じ福利厚生です。
ちなみに、2つ以上の契約では連続した時間でなくとも契約できます。
8:30~12:30+15:30~
ボーナスや退職金
ボーナスや退職金は1つだけの契約でも現行通り出します。その上での250万円換算です。
むしろ、表現的に年俸とした方がよいかもしれません。
退職金=平均月収×〇ヶ月(勤続年数に比例する)
そのため、辞める前辺りは急に契約を3つにしたがるかもしれません。
ここの費用を抑える方法があります。
50歳を過ぎてから、やたらと契約を3つに増やしたがる年配先生は3つ契約しないんです。
いや、仕事のできる先生は契約結べば良いんですが、仕事のできない先生はいます。そんな仕事のできない先生は従来通りの1契約か2契約でいれば良いんです。
30代でゴリゴリ働いてサクッと辞める先生もいるかもしれませんが、勤続年数が少ないので退職金額が抑えられます。
勤続11年目から働き方を選べるようにしてもよい
老齢年金の受給資格が2017年8月1日より「10年以上の加入」と変わりました。
そのため、勤続10年が完了するまでは現行通りの働き方で勤続11年目から3分割の労働も選べるようになっても良いと思います。
私は勤続11年で高校教諭を辞めました。11年目の年収は約650万円でした。
3分割分フルに働いて年収750万円になるなら嬉しいところですし、正直750万円もらうよりも500万円もらって毎日16時で帰りたいです。
勤続10年で貯蓄1,000~2,000万円可能だからです。
仕事忙しくて使う暇ないからね!
年収が下がっても定時帰りしたい教員は多い
私は勤続11年で高校教諭を辞めました。仕事はむちゃくちゃ速かったので、毎日10時間労働ですみました。
20代の頃は月に240~320時間位働いていました。月給20万円で!
いつ見ても仕事してるなぁ。
そんな評価をもらっていました。
残業代つかないんだから、仕事は効率化する!
私は奇跡的に主顧問でなかったので、年間休日は130日程ありました。
「年収650万円もいらないから、毎日17時で帰りたい」
そう思っていました。
学校の先生は拘束される時間も長く、燃え尽きる方々も多かったです。
辞めたい。
辞めたい。
みんな辞めたい辞めたい言っていましたが、こんな3分割した働き方が選べれば続けたいと考える先生が増えると思います。
契約1つで年収250万円でも、時間的にダブルワークが可能ですし、実家暮らしや共働きならば生活できます。
フィンランドの教員の平均年収
学校教育が素晴らしいと評判のフィンランドの先生の平均年収は小学校534万円、中学・高校614万円だそうです。
もちろん日本の先生ほどには長時間働かないはずですが、ほどほどの時間働いてもほどほどの給料をもらうことはワークライフバランスに良いと思います。
年間の勤務日数は190日だそうです。
つまり年間休日175日!
フィンランドでは教員の保有免許状や学歴別に給料が明確に分けられています。
教員の働き方改革は私立学校から導入していく
公立の学校(公務員)で取り入れるのは難しいと思います。そのため、1校単位で雇用形態を変更できる私立学校から導入していきます。
3分割労働の学校が増えれば、公教育でも取り入れざるをえないからです。
外堀を埋めるってヤツですね。
導入する場合の人件費比較
1学年8クラスなら、3学年で24クラスあります。
週6時間授業×5日で週の合計授業数は30コマ×24クラス=720コマです。
1人の先生が授業は10コマ担当するので72人必要です(2つ契約するなら36人)。
最安値なら250万円×72人=1.8億円の人件費が毎年かかります。放課後の部活指導の人数は30人も必要ないので、プラス7,500万円です。
合計で年間2億5,500万円の人件費がかかります。
まっとうな学校ならば、24クラスあれば教諭が60人はいます。高校教諭の平均年収は720万円なので、毎年4億3,200万円の人件費がかかります。
約1.7億円安くつきます!
これだけ下げれるならば、契約1つのみの先生も社会保険(健康保険・厚生年金)に加入させてもお釣りが出るんじゃないかと思います。
反対意見はもちろんある
50代教員から反発が出ると思います。
新卒(22歳)ならば330万円の年収です。年功序列で昇給していきます。毎年1万円程度月給が上がります(実体験)。年収だと16万円上がります。(ボーナス4~5ヶ月)
55歳教員は330万円+16万円×33年=858万円程度の年収です。
3つ契約しても750万円なので、年収が下がります。そのため、年功序列で昇給させていっても良いと思います。
ただ、退職金の場面ではまたごねることが予想されます。
何で3つ契約させてくれんのや!
あなたに750万円満額の値うちが無いからです。
民間企業ならば当たり前のことが受け入れられない世代はいます。
普通に働いている先生は16時帰りの年収500万円に納得すると思います。
それぐらい教員の労働は過酷です。
病む前にサクッと働いて辞めよう!
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