現役高校教員の皮算用です。
教諭職は辞めましたが、非常勤講師として高校教員を続けています。そのため、学校の裏側をよく知っています。笑
公務員である高校教諭を辞めた理由ですか?
労働条件がブラックだったので、本職として収入のために働くのを辞めて趣味として働くことを選んだからです。
趣味でやる先生は楽しいですよ!
教員採用試験の「若干名募集」は何人のこと?
1~3名程度です。
「該当者無し」の可能性もあります。
教員採用試験の募集要項には、校種・教科別に具体的な人数が記載されています。
- 小学校100名
- 中学校:英語20名
- 中学校:社会18名
- 中学校:美術若干名
- 高校:数学5名
中学校で美術の倍率30倍
私は過去に中学校で勤務したこともあります。
当時、一緒に働いていた20代の美術の非常勤講師の先生がいました。
勤務していた自治体では、美術の採用が無く、久々に「今年美術の採用ある!」と色めき立ちました。
ただ、募集人数が【若干名】だったので不安はあったそうです。
同僚はその年の教員採用試験も残念ながら不合格でした。
試験結果が後日発表され、具体的な採用人数が判明しました。
中学校:美術1名(30名受験)
倍率30倍です。
募集が1人だったら最初から他府県受けてた(T_T)
※近隣の都道府県は教員採用試験の日程を合わせてあります。そのため、近隣では1自治体しか受験できません。
教員採用試験の採用数は欠員補充
先生の人数は生徒数に連動します。
【先生1人対生徒40人】が基本です。
【1対20の授業】なんてきめ細やかで素晴らしいと思いますが、日本はそんな贅沢ができる国ではありません。
人口が減少しているので人件費を下げるためにも、正規雇用を抑えたい思惑があります。
文部科学省や教育委員会は先生数を増やそうと努力していますが、予算を握っている側が強いです。
人口が減少しているので、今以上に先生数を増やすことは困難です。
現状維持がせいぜいです。そのため「1人退職するから1人採用する」欠員補充を行っています。
誰かが辞めないと採用されません。
教員採用試験で受かりやすい校種・教科
【学校数が多い=先生数が多い】です。そのため、小学校は倍率が低く2~5倍であることがほとんどです。
(倍率は自治体により異なります。都会ほど倍率は低いです。)
中学校や高校を希望している場合は教科によってはほとんど採用がありません。
さきほどの中学校:美術に関しても、自分の中学校に美術の先生が何人いたか思い出してください。
普通の先生は定年まで先生を続けるでしょうし、21世紀では雇用の延長が行われ、再任用として60歳を過ぎて働いている先生も多いです。
倍率30倍を勝ち抜いた美術の先生は30年間は勤めると思います。
次の募集は何年後に何名だと思いますか?
主要5教科以外だと採用試験合格まで数年かかります。
そのため、新たに教員免許を取得してでも、小学校受験をすすめます。
教員免許は複数ある方が有利?
自治体によっては教員採用試験で第2希望までかけることもあります。
- 中学校:美術
- 小学校
こうしておくと、倍率の高い校種・教科での合格が無理でも第2希望で合格する可能性もあります。
私は過去に第2希望で中学校教諭に合格しましたが、辞退しました。
同じ年に他府県で高校数学に合格していたからです。
ただ、「教員採用試験合格に有利だから」という理由だけでの複数免許取得は勧めません。
過去に専門外の教科を担当させられ、鬱から自死を選んだ先生もいたからです。
採用数が少なくても先生になりたい!
学校の先生になりたい!
こんな若者は多いです。
学校の先生の仕事はざっくりと3つあります。「何をしたくて先生になるのか」ここをハッキリさせておく方が良いです。
- 担任(公務分掌)
- 授業
- 部活
授業だけなら、教員採用試験に合格しなくとも、非常勤講師・時間講師として担えます。
部活に関しては部活指導員・外部コーチが導入されつつあります。
担任業については、非常勤講師・時間講師では担当できませんが、常勤講師ならば担当できます。
高校では常勤講師に担任業を担当させていませんが、小学校・中学校では常勤講師も担任業を担っています。今後は高校でもそうなっていくことが予想されます。
私自身は高校数学が好きで、授業が好きです。生徒の「なるほどー!」の瞬間の顔が好きです。
部活顧問を担い、長時間拘束されることは嫌でしたし、社内政治的なことにも興味なく苦手でした。そのため、高校教諭からキャリアダウンして高校非常勤講師となりました。
好きなことだけして生きていくのは楽しいですよ。
- やりたいこと
- 収入
この2つをセットにして考えるから、ジレンマが起きます。
教員というのはやりがいもあり、楽しい仕事です。
ただ、1人の先生が担う業務量は多すぎます。雇用が増えず、従来通りの学校制度のままだと、業務量は増えていく一方です。
休み無く働くと心身病むよ。
そして心は治りにくいよ(T_T)
精神疾患で休職している先生は約5,000人います。例年この人数で推移しています。
全教員の0.5%だそうです。
多分、常勤講師はここにカウントしていません。全ての身分の先生を入れるともっと増えるでしょう(*_*)
教育職員の精神疾患による病気休職者数(平成29年度)
○教育職員(※)の精神疾患による病気休職者数は、5,077人(全教育職員数の0.55%)で、平成19年度以降、5,000人前後で推移しており、平成28年度(4,891人)から増加
「何をしたくて先生になるのか」
- 担任(公務分掌)
- 授業
- 部活
これをよく考えて自分に適した働き方をしませんか?
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