30代で教諭(正規雇用)を辞めてキャリアダウンし時間講師をしている皮算用です。
30代で教諭を辞めた理由ですか?
自分の人生をもっと楽しもうと思いまして。
知っていると思いますが、学校の先生の労働条件はなかなかに悪いです。
教員になるまで、[教員の仕事はブラック]ということは知っていましたが、ここまでブラックだとは知りませんでした。
だからこそ、今から教員になろうと思う人には、自分の人生設計をした上で今一度考えてほしいと思います。— かみこう (@kyousaigannba) October 26, 2018
ちなみに、採用試験に合格すると先生の個人情報は勤務先校長に伝えられます。
講師登録し、講師依頼があった場合も先生の個人情報は勤務先校長に伝えられます。
自分自身の個人情報を守りたい人には向かない職業ですね。
教員の働き方はブラック労働気味って知ってるよね?
私は私立高校と公立中学校・高校と勤務経験があります。
私立高校時代は年間休日が10日(有給消化日数じゃないよ)しか無かったので、私立学校勤務はお勧めしません。ちなみに、時給換算では900円で時間外労働は月150時間程度でした。
8時間労働×5日×4週間=160時間分の月給で月310時間働いていました。
1人分の給料で2人分働いたことになります(T_T)
もちろん全ての私立学校がこんな待遇では無いですが、私立学校は就業規則も各学校独自なので、職員の解雇は容易です。
解雇をチラつかせられながら働くのはお勧めしません。
生涯賃金のことはもっとちゃんと知っておきたかった
教員採用試験の受験年齢制限が無くなりつつあるので、ずーっと受け続けられます。
しかし、「倍率10倍だから10回受ければ受かる」というものでは無いので、就職市場において価値のある年齢で正社員に収まっておくほうが自分自身の人生設計(結婚や子育て)がしやすいです。
教員採用試験に現役で合格することはなかなか難しく、たいていは複数回受験します。つまり、正規雇用の期間が短いんです。
- 23~60歳(38年間勤務)
- 26~60歳(35年間勤務)
- 32~60歳(29年間勤務)
学校勤務者は定年を迎えた3月末付が定年退職日なので、退職日は同じです。
教員採用試験に合格するのが遅いほど、生涯賃金が下がりますし、勤務年数が短いほど退職金掛け率も低いです。
私は11年間勤務しましたが、掛け率は9ヶ月ありませんでした。
教員採用試験受験は
- 大学在学中
- 講師1年目
- 講師2年目
この3回で辞めて、講師2年目の教員採用試験受験後に民間企業への就職活動を行うべきだと思います。
卒業後3年以内なので、第二新卒として新卒扱いで採用してくれるからです。
新卒の期間を過ぎると【経験者枠】での転職なので異業種への転職は難しく、同じ教育職(塾・予備校など)や万年人手不足の職種(営業・運送業など)しか無理です。
英国数以外の教科の場合は教育職も難しいと思うので、民間企業へのシフトチェンジを急ぐべきです。
個人的には、しゃべりの上手い先生は営業職にピッタリだと思っています。
教員は残業代が出ない
2019年現在でこの事実を知らずに先生を志す若者はいないと思います。
残業代は出ません!
さすがに22世紀までには是正されそうですが、先のことは分かりません。
財源が無いので、教員の残業代は現状通りの基本給の4%プラスの給特法がしばらくは継続されるでしょう。
残業代が出ないため、遅くまで働くと収入としてはマイナスになりかねません。
夕飯を作る気力が無くなり、割高な外食や惣菜弁当となりがちだからです。
夕飯食べる気力も無くなり病んでいく先生もいるけどね!
自炊すると安あがりですが、作る時間もなく、割り増し賃金も出ないため、単純にマイナスです。
民間サラリーマンは残業代出るので、外食してもプラスですけど。
今日2時間残業したから5,000円プラス。コンビニ寄って帰ろう。
今日2時間残業したけど0円。コンビニ弁当買って帰ろ。
800円か・・・。
この残業代有り無しは後々こたえてきます。
1時間2,500円の残業代(多分もっと高給)が出れば、月に40時間残業すると10万円の収入となります。
1年間で120万円になります。
30年間で3,600万円です。
学校の先生は残業代が出ません。
学校の先生の時間外労働は月20~200時間位です。
だいたい月50時間以上が平均です。
教職調整額は一律4%です。
それ以上はいくら働いても残業代なんてものは出ません。
職員室で私の横に座っている若手教師は月給25万円程だ。
先月は170時間残業していた。
25万円×4%=1万円
10000÷170=59円
そう残業代は時間あたり59円!
なるべくして人手不足になっていってますよ…
— 合法先生 (@barbeejill3) June 10, 2019
特殊勤務手当
土日祝日に部活指導を行うと、特殊勤務手当がつきます。
日当で3,000~4,000円程度になります。4~6時間勤務でこの金額が出ます。
特殊勤務手当は補習等の休日勤務に対しては出ません。
休日の学校行事での勤務については代休が取れます。
有給を使い切れない先生が多いので、代休も使い切れないと思います。
常勤講師は最も弱い立場にあるのは知ってる?
学校の先生には大きく3種類あります。
- 教諭(正規雇用)
- 常勤講師(非正規雇用)
- 時間講師(非正規雇用)
常勤講師は教諭とほぼ同じ仕事内容です。せいぜい肩書きが主任にならないだけです。
学校によっては体育祭や文化祭の運営のトップ(総残業時間100時間位)を任される場合もあります。
また、成績で1を付けると教諭同様補習や追試の対応が必要です。
そのため、どれだけ成績悪くても成績で1を付けない先生もいます。先生自身の仕事が増えるだけだし、1でも2でも先生個人には関係ないので。むしろ1付けない方が先生個人の評価は高く判断されます。
教科に対して真剣な先生だけが成績1を付けます。
時間講師は成績1を付けても、その生徒の対応をするのは他の教諭・常勤講師の仕事です。
(成績1出しまくると次年度の講師依頼がなくなったりするから気を付けて!)
時間講師の雇用が時給制によるものなので、働かせるなら賃金が発生するためです。
賃金発生するなら、補習も追試も請け負いますけどね!
時給換算しても、常勤講師は時給1,500円位(給料定額なので長時間働くほど時給は下がる)なので、時間講師の時給2,500円の方が割が良いです。
30代半ばで講師契約が無くなった先生
男性教員でした。
大学を卒業後ずっと公立高校で講師を続けながら教員採用試験を受け続けていました。
30歳前後で結婚し、お子さんが2人いました(奥さんは民間企業勤め)。
仕事に慣れ自信も付いた36歳?で管理職の逆鱗に触れ、それまで毎年契約更新していた常勤講師契約が止まりました。
最終成績で1を付けたからです。
追試になるレベルの生徒が悪いです。そして、先生も鬼じゃないので【受かるレベルの問題にしてある追試】に受からない生徒がやはり悪いです。
ですが、「追試に受からせる教科指導ができなかった」と判断され、講師契約はその年で切られました。
校長ネットワークで、「アイツはダメだ」というのが広まるんです。
2年後に出会った時には「今は何もしてない」と言っていたので、主夫におさまったのだと思います。少々やつれていました。
あれから10年。元気でしょうか。
鬱(うつ)になる教員は多いって知ってるよね?
学校の先生だけに限りませんが、鬱(うつ)を発症する大人は多いです。
私が勤務した10数年間で鬱で休職した先生は3人いました。
- 勤続10年の40代
- 勤続20年の40代
- 勤続30年の50代
全快した先生はいません。
薬を飲みつつ、だましだまし勤務していました。
心のダメージは治りにくいです。
文部科学省が毎年教員の休職調査をしています。集計に時間がかかるので、集計結果が公開されるまで2年ほどタイムラグがあります。
都合の悪い集計なので、非正規雇用の先生数はカウントしていないはずです。非正規雇用の先生は休職制度を利用できても、「契約期間の完了」と共に休職期間も終わります。
教育職員の精神疾患による病気休職者数(平成29年度)
○教育職員(※)の精神疾患による病気休職者数は、5,077人(全教育職員数の0.55%)で、平成19年度以降、5,000人前後で推移しており、平成28年度(4,891人)から増加
教員採用試験に合格した教諭も、講師として勤務している常勤講師の先生にも知っておいて欲しいことがあります。
「厚生年金加入期間に初診日を入れる」です。
障害年金はケガだけでなく、精神障害も対象です。統合失調症やうつ病も対象です。詳しくは日本年金機構ホームページへ
心を病んで辞めていく先生もいます。
辞めてから【不健康】と判明すると遅いんです!
教員は学校現場以外の友人を作るべき
ヘタすると、学校しか知らずに年をとっていきます。
学校・先生・生徒・事務員・業者(教科書会社・修学旅行関係など)としか接しません。
この交友関係だけで満足している先生も多かったです。仕事が忙しく、余暇時間がもてないため、この交友関係だけだったのかもしれません。
- 仕事
- 家族
- 自分の自由な時間
こんな優先順位でしょうしね。
常に「〇〇先生」と呼ばれる環境のみで生き、年を取っていくのは嫌だと思い、積極的に学校外の友人(年齢層も幅広く)を作りました。
資産形成は20代から行っておきたかった
「燃え尽きる教員が多い」なんて言われますが、実際に多かったです。
40歳overの先生の「早く辞めたい」発言率はほぼ100%でした。
辞めたい。
辞めたい。
昔から憧れて先生になった先生も「早く辞めたい」と年に数回は聞きます。
辞めれない理由はお金です。
生活の糧にめどが無いから辞められないんです。
まぁ、辞めたい辞めたい言う人ほど、辞めずに定年まで続けています。
辞めたい辞めたい言いながら働くのはどうかと思いますが。
私は32歳から資産運用を始め、40歳前にセミリタイアできました。
もっと若い時分から資産運用を始めていれば、もっと多くの資産があったと思います。
財形貯蓄から始める
先ずは貯蓄からです。資産運用用の種金(たねきん)、余裕資産を作りましょう。
私立学校や公務員の場合、財形貯蓄っぽいもの(あんまり大きな声では言えませんが)で、~3%位の貯蓄方法があります。それを利用して余裕資金を作ります。
生活防衛費(生活費3ヶ月分)を貯めた後は、それを超した金額を投資資金とします。
日本人の20%しか資産運用を行っていませんが、キチンと実行するとお金は増えます。
増えた分も再度投資に回すと、増え方はこんな風なグラフになります。複利といいます。
上記のグラフは100万円をそれぞれの%で運用した場合の推移を表しています。
もしも10%で運用できれば、100万円は30年後に1,700万円以上になります。
ちなみに、1,000万円を10%複利で運用すれば30年後に1億7,000万円になります。
働き過ぎて病む先生が多いので、経済的理由で働くの辞めればいいのにと思います。
「日々の生活から貯蓄にまわせるお金が全くない!」なんて場合はマネースクール(たいていは初回無料)に参加してみても良いと思います。
志を同じくし、開始時期も同じである人に出会えるからです。
趣味として教員をするって選択肢があってもよいはずだ!
過去に資産家の先生で「片手間に先生しとんじゃー!」と言っていた教諭(正規雇用)がいました。
まずは民間企業に勤めて資産形成し、「学校の先生職に収入を求めないよ」となってから学校の先生を目指してはいかがでしょうか。
教科がしたければ時間講師がお勧めですし、クラブ指導がしたければクラブ指導員制度を導入している自治体(2018年では主に都市部)もあります。
私も趣味として【先生】をするようになってからストレスがぐっと減りました。一線を退いたので、今の働き方ならば60歳を過ぎて働いてもいいなぁと思います。
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